かつては「怠け病」などと、まるでうつ病罹患者の人格を否定してしまうような時代もありましたが、うつ病治療の現状では、そのような考え方はずいぶんと減少してきました。
というよりもむしろ、うつ病にまつわる情報が少々過多である傾向も現状あり、うつ病が社会的に認知されるようになったと同時に、誰もがみなうつ病に対する不安を抱くようになってしまったという弊害もあります。というのも、
などと考える人が以前に比べて非常に多くなってきているというのが現状だからです。
その観点からすると、うつ病の現状というのは、各種メディアの報道により社会的認知の役割は果たされたものの、うつ病を正しく認識しなければならないという課題に関しては、依然残っていることになるでしょう。
うつを深く理解する
うつ病治療のさらなる発展も当然そうですが、そうしたテクニカルな部分だけではなく、「うつを深く理解する」という社会的課題は未だ残されたままであるということになるでしょう。
しかし、なかなかデリケートなテーマであるがゆえに、うつに関する啓発活動も正直難しいと考えられますので、そうした大きな課題がクリアされるまでにはまだまだ時間がかかってしまうことになるのではないかという気がします。
ただ、いずれにしても以前の「うつに対する治療や考え方」に比べれば、現状はあらゆる面において改善してきているというのもまた事実であると言えるでしょう。
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芸能人のうつ
私たち一般人のうつは、かつては「なまけ病」などと呼ばれた時代もあり、真剣に悩んでいる罹患者当人からすると、その当時は本当につらい日々であったことは間違いないでしょう。
しかし近年、私たちの多くがうつ病に関する知識を持つようになり、うつ病に悩む人に対して「なまけ病だ」などと言い放ってしまう人は徐々に少なくなりつつあります。
ところで、私たち一般人に夢や笑いや感動を与えてくれる芸能人の方は、昔からうつ病に悩んでいた人が多かったという気がします。
もちろんうつ病に関する情報が豊富に流通するようになったからこそ、現代人にとってうつ病がそれほど珍しい病気ではなくなったと言えるかもしれないのであって、私たち一般人と比べればはるかに情報として流通する機会が多い芸能人のうつだけは昔からあったという事実については、それほど驚くようなことではないとも言えるかもしれません。
もちろん、芸能人のうつに関してそういう相対的な考え方でアプローチするのはひとつの論法ではあります。
しかし、私たちとの比較なしに、「芸能人だからこそうつになりやすい」という考え方も広く認識されているようです。では、
あんなに華やかな表舞台で、いかにも楽しげな表情をテレビ越しに、そしてスクリーン越しに見せてくれているにもかかわらず、なぜ心に強い不安を生じ、時に自ら命の灯を消そうとしてしまうのでしょうか?考えられる理由はいくつかあります。
というのも、芸能人の場合、人気が出れば出るほど多忙な生活を送るようになることは明らかです。
それが大きな原因となっていると考えられます。「うつ」というのは、多くの場合「心の疲労」であると考えられます。
過度のストレスを継続的に蓄積し続けると、うつの発症リスクは非常に高くなります。疲れやストレスなどとは無縁な芸能人など、おそらくひとりとしていないでしょう。
そして、自身のプライベートに関して心から相談できる相手がいないというのも、ある意味芸能人特有の悩みであると言えるのかもしれません。
仕事の悩みであればいろいろ相談に乗ってくれる人はいると思いますが、プライベートの悩みとなると、ある意味タブー視される業界ですから、知らず知らずのうちに自分が孤独になっていた、あるいはそのように感じられるようになっていたとしても、だれも責めることはできないのです。
華やかな表舞台の裏側は、私たちが知らない苦しみがたくさん潜んでいる――それが芸能界なのだと思います。
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