うつ病とは、精神疾患の一種に数えられ、また、精神疾患の中では非常に罹患率が高いとされる病気です。
「精神疾患」というと、何か非常にたいそうな病気であるような印象を受けるかもしれませんが、しかし「精神疾患の中では非常に罹患率の高い病気」であることからも、
であると考えることができ、したがって、精神疾患の中では、比較的私たちにとって身近な病気であることは間違いないでしょう。
うつ病と言っても、かつて考えられていたような特定の病気ということではなく、現在では、「新型うつ病」などに代表されるように、その種類も多様化してきています。
したがって、病気の特定はかなり難しい場合が多く、特にうつの初期的段階では自覚症状が極めて小さいため、自分がうつ病に罹っているということに気づけない患者さんも多いと考えられる病気です。
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近年のうつ病
近年になってうつ病に関する報道がやや過多の傾向があり、そういう報道によって「自分もきっとうつ病だ・・・」などと気に病んでしまい、自分からうつ病になってしまっているような人も珍しくありません。
もし自分がうつ病かもしれないと不安な状態であれば、病院に行って検査をしてもらうことが重要です。
うつ病の男女別罹患率では、女性のほうが圧倒的に多いとされていますが、近年では男性の罹患者も増加傾向にあるようです。
ただ、女性の罹患者も増加しているため、男女比率という意味では
と考えられています。
ただし、うつ病患者は増加している事も含め、現在悩まされている人は相当数いるのは事実です。女性の割合が多くても、男性のうつ病患者数も相当多いという事は間違いありません。
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厚生労働省のうつ病に対するガイドライン
うつ病に関しては、近年急激に注目されてきたこともあり、いろいろな形でメディアで紹介されるようになってきました。
厚生労働省でもうつ病に対するガイドラインを公表していますので、その内容について簡単にまとめてみたいと思います。
まずは、「うつ病にかかりやすい人」という項目があり、厚生労働省ではこれを「危険因子」と呼んで次のようにまとめています。
うつ病の危険因子は「性別」、「年齢」、「幼少時のつらい養育体験」、「直近のライフイベント(ストレスがたまったできごと)」、「トラウマ」という5つの項目から、うつ病発症のリスクを見ています。
また、うつ病の自覚症としては、「断続的な抑うつ状態」、「興味がわかず、楽しみがない」、「疲れやすい、元気が出ない、倦怠感」、「気力、意欲、集中力の低下」、「寝つきが悪い、朝早く目覚める」、「食欲不振」、「人に会うのが疎ましい」、「朝は特に体調、気分がすぐれない」、「考えがまとまらず、不安になる」、「ひとつの精神的苦痛が改善しない」、「自分が無価値に思える」という11項目になります。
そして、他者から見てわかるうつのサインは、「以前より元気がなくなった」、「体調不良を訴える回数が増えた」、「仕事、家事その他の作業効率が低下している」、「自ら孤立化しようとする」、「遅刻、早退、欠席・欠勤が増える」、「趣味の時間を持たなくなる、外出を控える」、「飲酒量の増加」といった項目を挙げています。
厚生労働省のガイドラインでは、うつの早期治療を目標としてこうした内容にしていると思われますが、自分や他人がそのサインに気づいてからの具体的な対処が書かれていません。そこで、それについて少し説明しておきます。
自覚症状がある場合、まずは病院に行ってみることが最優先されます。病院に行って検査してもらって、結果うつと診断されたとしても、早期治療であればまたすぐに復活することも十分可能です。
そして難しいのが、他者が見て「あの人はうつなのでは?」と思ったときです。そういうときにとにかく重視してほしいのが、「むやみに励まさない」ということです。
「がんばれ」などのことばはうつ病患者には禁忌ですので、そのあたりは十分注意して「いつもどおり接する」ことに留意するのが得策です。
もし、ごく親しい間柄の人であれば、「あなたが必要である」、あるいは「あなたは必要とされる人間である」といったことを理解させてあげるのが一番効果的です。
また、さりげなく病院に行くことをすすめてみてもよいと思います。
◆うつ病の危険因子
「性別」
「年齢」
「幼少時のつらい養育体験」
「直近のライフイベント(ストレスがたまったできごと)」
「トラウマ」
◆うつ病の自覚症
「断続的な抑うつ状態」
「興味がわかず、楽しみがない」
「疲れやすい、元気が出ない、倦怠感」
「気力、意欲、集中力の低下」
「寝つきが悪い、朝早く目覚める」、「食欲不振」
「人に会うのが疎ましい」
「朝は特に体調、気分がすぐれない」
「考えがまとまらず、不安になる」
「ひとつの精神的苦痛が改善しない」
「自分が無価値に思える」
◆他者から見てわかるうつのサイン
「以前より元気がなくなった」
「体調不良を訴える回数が増えた」
「仕事、家事その他の作業効率が低下している」
「自ら孤立化しようとする」
「遅刻、早退、欠席・欠勤が増える」
「趣味の時間を持たなくなる、外出を控える」
「飲酒量の増加」
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